水に学ぶ~硬度と味の関係~
お水に魅せられ、2004年にお水の総合商社を立ち上げられた堀内拓矢さん。国内外のお水に精通する堀内さんに、意外と知られていないお水の基礎知識を教えていただきます。
水に学ぶ~硬度と味の関係~
日本人は軟水好みと前述しました。
それは、地中の炭酸カルシウム濃度が、比較的低い土壌で醸成された食生活における、自然な反応かもしれません。
逆に、硬水で育ったヨーロッパ人からすれば、日本の軟水は少し物足りなさを感じることもあります。
私が以前、実施した調査では、人間は、少なくとも日本人は、体が覚えている味を美味しいと感じる傾向があることが見えてきました。
リゾート会社からの依頼で、彼らの水源の水の『味覚調査』を実施したことがありますが、ブランド名を伏せて、一般消費者に飲んでもらった4種類の水のうち、「一番おいしい」結果となった水は大手国産メーカーの水。
最も「おいしくない」と回答された水は、外国産有名ブランドでした。
調査参加者の多くが、その国産ブランドを飲んだことがあり、体のどこかに残った記憶が「おいしい」と答えさせていたと考えています。
『軟水』と『和食』との相性が良いのも自然の成り行きです。
素材本来の味を生かす和食において 硬水は味を濁しかねません。
ただし、凄腕料理人クラスになると、軟水と硬水を使い分けます。
庄内イタリアンで有名な『アル・ケッチャーノ』の奥田さんもその一人。
地元鳥海山で湧く数か所の湧水をポリタンクにつめ、それぞれ微妙に違う水成分を料理によって使いわけます。
『水と調理』については追って詳しく書きたいと思います。
次回は「硬度と健康の関係」について教えていただきます♪
第1回:水に学ぶ~軟水と硬水の違い~
第2回:水に学ぶ~硬度計算は簡単!~
- 堀内拓矢さん
1966年生まれ。
米系調査機関の日本、ドイツ法人勤務後、INSEADにてMBA修了。
欧州系投資銀行でM&A業務に従事した後、2004年に水専門ブティック商社を創業、現在に至る。
お水に関する業歴、肩書:
大手リゾート企業に対する水事業構築に関する助言、
大手食品メーカーの水事業戦略に関する助言、
山梨県 水ブランド戦略アドバイザー、
日本地下水学会会員